即興音日記#163「ひたすらおちる」ミュージックビデオに寄せて

 

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https://youtu.be/SV9fzd9XqoI
6月18日土曜日の午後。濃い色の曇天。即興作曲を牽引してくれそうな素材を探そうとギターを弾いていた。すると突然激しい雨が降ってきた。窓を開けていたのでギターの音が雨にかき消されてしまうほど。その中で弾いているうちに、この曲で使う言葉を、雨と落ちる、この二つに決めた。

163曲目の即興音日記。いつも通り、メロディーも詞も曲構成もすべて即興。その場で作曲しながら歌っていく。次どうする?と私の脳が、指とギターに尋ねながら土砂降りの雨音を聞きながら歌っていく。一度だけ録画したあとで聴き返し、すぐに多重録音で自分の即興に即興で応えていった。

即興で歌いながら耳に入ってくる雨の音。あまりの激しさに、土砂降りの雨が生きているように感じた。雨が意思をもって一心不乱に降っているよう。だからタイトルの英訳は"It rains single-mindedly"。こんな英語は無いと思うが、ネイティブに笑われたって別に構いはしない。

叩きつけるような雨音は凄まじかった。雨音のオーケストラとギターと声。暮らしと地続きの音楽。日々の暮らしの中にそれが在るのなら、要らない音はひとつもない。改めてそう感じた。